サッカーコーチとして一番始めに身につけるものは、何を差し置いても「マネジメント力」です。
マネジメント力とは、「コーチが子どもたちに対して影響力があるかどうか?」ということです。まずは、このマネジメント力を身に着けられるかどうかが極めて大事で、どのようにサッカーを教えるかよりもまずここを身に着けているかどうかが何よりも大事な点です。
どれだけ優れた指導論を持っていても、子どもたちに響かなければ全く意味がありません。指導内容やメニューがある程度適当でもマネジメントさえしっかりしていれば、基本的にはOKといえます。
以下、ややテクニカル的なことになりますが、
聞く準備ができてから話す
小さい子に対してコーチがしゃべるときは、しっかりと聞く準備ができてから話すことがとても大事です。よくある風景として、こども達がわちゃわちゃしているときに、そのまま話を始めてしまい、終始こども達が話を聞いていない ということがあります。
こういう雰囲気を作ってしまうと、こども達は「あまり話を聞かなくても大丈夫」と思ってしまいます。まずは、こども達全員がこちらの目を見て話を聞く体制を作る、ということは大切です。
特に雰囲気が固まっていないうちは、話す内容よりも話を聞く体制を作る練習のために、そのような機会を作っていくという考えでOKです。
具体的には、「はなしするよー」「聞く準備はできてるかなー?」というような声がけで促していきましょう。そのうち、「〇〇!ちゃんと聞く準備して!」とこども達から声が出るようになってきます。
当たり前のようで、意外とできていないポイントだったりするので、適宜意識していきましょう。できるようになってきても、雰囲気がゆるむときもあるので、こども達の表情をしっかり見て調整していきましょう。
ポイントは簡潔に 分かりやすく
例えば、練習のポイントなどはできれば1つに絞って、こども達が理解できることばで説明します。ついつい、大人の語彙で話しそうになるのですが、小学生の語彙理解力は思っているより低いです。
コーチがしゃべっている内容が難しいと、子どもたちは聞くフリだけするようになります。こども達が分かっているか、こちらからも質問しながらこども達の理解度を感じながら話しましょう。
しゃべる時間は原則1分以内です。それ以上しゃべりたくなることもありますが、無意味どころか前の内容まで忘れたり、こども達が飽きてくるので、できるだけ短くは意識しましょう。
練習はテンポを大事に
特に小さいこども達の練習はテンポ感がめちゃくちゃ大事です!テンポ感は練習の前の時間から始まっています。練習の前に、こちらの準備が遅かったり、こども達がダラダラしているとなかなかテンポ感は上がりません。
最初の入りがしっかりして、なおかつこども達が熱中するようになれば、逆にコーチは見守るぐらいでも大丈夫です。
イマイチこどもが乗り切れていなかったらすぐ次の練習メニューへ
練習メニューの中にはどうしてもこども達が乗り切れないものもあります。経験的に、小さい子にパス系のドリル練習はほぼ集中が続きません。(最近はジュニア年代であれば、パスコン系の練習はあまりやらなくなるようになりました。→ その分、ロンド系の練習で補っています)
集中が続かない原因としては、やはりレベル感が合わない練習という場合が多いです。この場合は、練習後1分で「あぁ、もうこの練習無理やなぁ」つすぐ分かります。
そのときは、次の練習メニューを考えたら、すぐに次のメニューに移行する方が良いです。無理やり声がけで補っても時間と労力の無駄です。さっさとあきらめて次にいきましょう。
話を聞かない子への対処
どうしても話を聞けない子というのも一定数います。経験上、そのような子たちに無理に話を聞かせる必要はないと考えます。傍からみるとその子を除外しているように見えるかもしれませんが、その子のペースを優先させてあげます。
よくあるパターンとしては、離れた場所で砂いじりしている、他の子にちょっかい出す など。ただし、その子の様子はしっかり注視するようにします。後から、練習に参加してくることもあるので、その場合はその子ができることから参加させるようにします。
そういう子の場合、日によってムラがあったりするので、そういう部分も気にかけてあげるようにします。
大体は、心身の成長に伴いその子なりに練習に参加できるようになってきます。そういう子が、練習に熱中する様子を見られるとコーチとしてはやりがいを感じる瞬間でもありますね。
このように、どちらかというと競技性の部分より、その場を作るということがコーチとしての最初の、そしても最も大事な役割となります。中学生以上だと意外と問われないスキルではありますが、それはそのように見えるだけで、こども(中学生以上)は指導者を信頼していないこともよくあります。
反応がダイレクトに帰ってくる小学生、特に低学年の指導に取り組むことでこのような基本的なマネジメント力を身につけることができます。
これは一生役に立つスキルなので、意識して指導に取り組んでみてください。場数を踏み、トライアンドエラーで取り組むことで自分なりのマネジメント力を高めていきましょう。
指導者として一番楽しい部分であるともいえます。

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